地球上の植物が絶滅し、わずかに残された緑を宇宙船内ドームで育てていた乗組員たちに、ドームを爆破して地球に帰還しろとの命令が下ったが、植物を守ろうとする乗組員のひとり(ブルース・ダーン)が反乱を企てる…。
『未知との遭遇』などで知られる特殊技術の第一人者ダグラス・トランブルの監督デビュー作。1971年に製作されたものの、日本では地味なスタッフ、キャストということもあり、TV放映のみに終わったものの、その内容の素晴らしさがSFファンの間で広まり、いつしか伝説となってついに86年に劇場公開されたという、名作でもある。主題歌を反体制的姿勢で知られるジョーン・バエズが歌っていることが象徴するあたり、現代の自然破壊危機を予測し警告していたかのような、SF的設定を巧みに取り入れた見事な自然保護を訴える問題提起作にもなりえている。(的田也寸志)
特撮の神様 ダグラス・トランブルの初にして唯一の監督作品。企画物として製作されたので米国での公開は僅か2週間、日本では上映されなかった。その後、SFブームにのり発掘されるやいなや、あまりの完成度の高さにSFファンを驚かせた。宮崎駿氏の天空の城ラピュタ他、後世の映画に大きな影響を与えた作品。まだ観てない方は必見の傑作。